犬を見ると、ついつい赤ちゃん言葉で話しかけてしまう。
そんな方も多いのではないだろうか?
そして、ふと我に返って恥ずかしくなったりする。
しかしこれが、犬との絆を深めるためには重要であることを知ったら
恥ずかしがる必要はどこにもない。
イギリスはヨーク大学の科学者が、実験により明らかにした 犬の新事実をご紹介。
実験の背景
欧米諸国では、犬に対して、赤ちゃんに話しかけるような言葉遣い(対乳児発語 / 育児語)で接することが一般的だという。(日本でもそうだと筆者は思う)
これは、何を意味するのか?
育児語で話しかけることで何らかの利益があるのか?それとも、ただ単純に人間が犬を赤ちゃんのように扱いたいだけなのか?
犬への話し方、そして話す内容が、犬との関係性に影響するのかを調べるために実験が行われた。
育児語とは
高音で、抑揚がある 乳幼児に向かって用いる語。
育児語は
・言語獲得を助ける
・子供と大人の絆を深める
と言われている。
これらのことは、人間の赤ちゃんだけでなく、犬の赤ちゃんに対しても有効であることが知られている。
しかし、大人の犬(成犬)には影響しないと言われてきた。
ちなみに、英語で infant-directed speech が 育児語。
犬に対する育児語を dog-directed speech と表現している。
これに対する日本語はまだ無いのか、筆者の調べでは見つからなかった。
育犬語?…今回は犬に対してでも、育児語と表記することにする。
実験の概要
①犬(成犬)と二人の人間が同じ部屋に入る。
②二人のうち一人は、犬に関係する内容を(※1)、育児語で話す。
もう一方の人は、犬に関係の無い内容を(※2)、 成人に向ける様な言葉(成人語)で話す。
③組み合わせを変える
・犬に関係する内容 × 成人語
・犬に関係の無い内容 × 育児語
④以下の2つを観察する
・話しかけている間の 犬の注意力
・話が終わった後に、犬がどちらの人間と一緒に居たがったか
(※1)「いい子!」「お散歩行く?」など
(※2)「昨日、映画見たんだ」など
実験結果
犬は、「犬に関係する内容を、育児語で話した」人間を選ぶ。
③においては、どちらを優先させるということはなかった。
結果からわかること
「③においては、どちらを優先させるということはなかった」
このことは、犬が単に言葉だけに反応しているわけでも、高音で抑揚のある声に反応しているわけでもないということを示す。
成犬と円滑なコミュニケーションをとるために重要なのは、
「犬に関係する言葉 × 育児語 (高音で抑揚のある声)」である。
参考・参照文献
・University of York より
‘Dog-Speak’ important for social bonding between pet and owner
・Sequence Media News より
Using Baby Talk is a Good Way to Bond With Your Dog!
まとめ
愛犬と円滑なコミュニケーションを図り、より良い関係を築くためには
仔犬であっても 成犬であっても育児語を用いて話す。
「犬に関係する言葉 × 育児語 (高音で抑揚のある声)」に対して、犬は注意を向ける。