犬の脱水症状 水分補給の重要性

関東は梅雨入り間近。梅雨入り前のぐずついた天気を梅雨の走りというらしい。

曇っていて 涼しいようでも、蒸し暑く じんわりと汗をかく。

温かい飲み物を欲するほど寒くはないし、冷たい飲み物を飲むほどの暑さでもなく、ついつい水分補給を忘れてしまう。

今回は、水分補給の重要性と脱水症状について。

水の役割

水は最も重要な栄養素といえる。なぜなら、犬の体重の約60%が水分だからだ。

体内から10〜15%の水分が喪失すると死に至ると言われている。

体の中で 水が担う役割

・細胞の主成分(約70%)
・血液の重要な成分として酸素を各組織へ運ぶ
・栄養を細胞に運ぶ、また不要物を細胞から運び出す
食物の消化を助ける
栄養の吸収を助ける
体を冷やすなどの体温調節をする
・関節に潤いを与え、動きやすくする
脊髄や、その他内臓への衝撃を和らげるクッションの役割を果たす
・老廃物を排泄・排便によって体の外へ出す etc…

つまり、身体の重要な器官は全て水を必要としている。



水分不足で起きること

適切な量の水分摂取が行われなかった場合に、体に与える影響は…

脱水症状、その他の病気
・脱水症状の状態が続けば、内臓にダメージを与える
・さらに続けば、肝臓・腎臓などの器官が機能しなくなり、死に至る

適正な水分摂取量

様々な計算方法や、目安があり、一概には言えない。
また環境などによっても、必要量は左右される。

必要な水分摂取量を左右する要因は

・気温
・運動量
・食事内容etc…

気温が高く、パンティング(あえぎ)などで水分が過剰に失われている場合や、運動量が多い場合は、通常よりも多めの水分補給が必要となる。

また、食事が半生タイプで水分量が多いものなのか、ドライフードなのかでも変わってくる。

いくつかの計算方法を試して、だいたいの目安を!

体重(kg)の0.75乗 × 132 (ml)

体重(kg) × 30 + 70 (ml)

体重(kg) × 50~70 (ml)

1日に必要とされるカロリー摂取量(kcal) = 必要な水分摂取量(ml)

脱水症状のサイン チェック方法

その① 皮膚の戻り具合をチェック

首の背側の皮膚  もしくは  左右の肩甲骨の間(背側)の皮膚を、優しく つまみ上げる

つまみ上げた皮膚を放す

皮膚の戻り具合を観察する

素早く元に戻れば正常
②戻りが遅い、なかなか戻らない場合は脱水症状であると考えられる
<①素早く元に戻る場合>

<②戻りが遅い場合>

その② 口の中をチェック

口の状態を確認する

・歯茎が乾いている・粘ついている・色が薄い場合、脱水症状やその他の病気の可能性あり

その③ 目や鼻を確認する

くぼんだ目 や 乾いた鼻も、脱水症状の犬が示す特徴のひとつ

脱水症状を防ぐためにできること

常に新鮮でキレイな水を飲めるようにする
犬が飲みに行きやすい状況・環境を作る
犬がどのくらいの水を飲んでいるか把握する

一般的には、健康な犬は、必要な量の水分を、自ら摂取するものではあるが、例外もある。糖尿病などの代謝障害や腎臓疾患、がん、妊娠中や授乳中の犬は、容易に脱水状態に陥ることがあるので注意が必要である。

また水を飲みすぎる場合も、病気を疑う必要がある。

筆者の体験

これまで多くの犬に接してきたが、どの犬も新鮮できれいな水を好む。
嗅覚がとてつもなく優れている彼ら、新鮮でおいしい水なのか、そうでないかを判断するのは容易い。当然、新鮮できれいなおいしい水の方がいい。

以前、知人が「犬は、多少汚くてもどんな水でも飲むから大丈夫だ」と言い放った。
だから、「それは、その汚い水を飲むしかないからそうしているのだ」と直球で伝えてしまい、少し険悪なムードになってしまった。

選択肢がないから、それを飲まずには死んでしまうから、我慢して飲む。
もしそこにきれいな水があれば、そちらを飲むに違いない。

また、これは筆者自身の話だが、この冬、水分がいかに重要なのかを体感した。
この冬は意識的に水分を摂るようにした。冬だったので白湯をよく飲んだ。
その結果、今シーズンは風邪を1度もひかなかった。また毎年悩まされる乾燥肌も発症せず、用意していた保湿クリームは、ほぼ残っている。また年中通して悩まされている かかとの頑固なひび割れもなくなった。

脱水症状とまではいかなくても、今までは水分摂取が不足していたことが明らかだった。


参考・参照文献

・PET MD より The Importance of Water for Dog Nutrition
・UG Pet.com より 犬のカロリー量計算

まとめ

・水は最も重要な栄養素である。

・常に新鮮できれいな水を用意する。

・犬がいつでも新鮮な水を飲めるようにしておく。

・愛犬の水分摂取量の目安を把握しておく。

・愛犬の実際の水分摂取量を把握しておく。

・脱水が起きていないがこまめにチェックする。

・気になる症状がある場合は、獣医師に相談する。

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