近頃、正座をすると3回に1度ほどの割合で、ひざ小僧が警告を発する。
「このまま座るとマズイ」と。
ひざ小僧がおかしな位置にある感覚。何度か膝を曲げ伸ばしすると座れるようになる。
昔はこんなことなかったのに。
今回は膝蓋骨脱臼の話。
膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)とは
ひざの皿 / ひざ小僧(膝蓋骨)が正常な位置から外れること。
完全に外れてしまうことを「脱臼」。
完全に外れるまではいかないが、ずれてしまうことを「亜脱臼(あだっきゅう)」という。
人間では外側に脱臼することが多いようだが、犬や猫の場合は内側に脱臼することの方が多いといわれる。
膝蓋骨とその位置
膝蓋骨
太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)は膝に向かって腱(筋肉を骨とつなぐ結合組織:大腿四頭筋腱)となり、膝蓋靭帯となりスネ(脛)の骨に繋がる。その大腿四頭筋腱の内側にある骨(種子骨)が膝蓋骨である。
左:正面から見た図(頭側観)
右:内側から見た図(内側観)
位置
太ももの骨(大腿骨)の下方(遠位端)に溝(大腿骨滑車)がある。その溝に沿う もしくは、はまっているような状態。膝の曲げ伸ばしによって位置が変わる。
膝蓋骨の役割
膝関節を伸ばす(伸展させる)際の太ももの筋肉(大腿四頭筋)の力を効率よく利用できる。小さな力で効率よく膝を伸ばすことができる。
また膝関節を外部の衝撃から守る。
膝蓋骨脱臼の要因
膝蓋骨脱臼の要因には
先天的なものと後天的なものとがある。
先天的なものには、骨形成の異常や靭帯が緩いことなど。
後天的なものは、外傷や関連するその他の筋肉や骨などの影響やその蓄積によるものがある。
犬からのサイン
筆者は街ゆく犬たちの歩き方を観察する習慣がある。
そこでよく目にする光景が。それは犬がスキップをしている状態。
歩行中、何歩かに一度、後ろ足を着くことができずにスキップのようになってしまうのだ。
しかし多くの場合、リードを持っている人間は気がつかずに前を向いて歩いているか、スマホに夢中だ。
犬はスキップをしながらも必死に歩いている。
これは今回みてきた膝蓋骨脱臼のほかにも様々な症状が考えられる。
前十字靭帯損傷や股関節の不調。肉球の損傷や、手首の不調など。
まとめ
歩き方は身体からの情報の宝庫。
やはり散歩のときは周囲の安全を確認すると共に、愛犬の歩き方にも注意を向けたい。
まだ症状が軽い場合は、極たまにしかスキップの状態にならないだろうから注意したいものだ。