犬と人間の言葉 犬に言葉を習得させる方法

前回に引き続き、犬と言葉について。

今回は、もう少し掘り下げて見ていきたい。

言葉の習得 〜大切なこと〜

一貫性

モノや動作には、いくつかの呼び名がある。

例えば「座る」という動作。

「おすわり」「座れ」「sit」「待て」… 指示の仕方はいくつかある。

その都度、違った表現で指示を出しても、犬はなかなか覚えられない。

「おすわり」なら「おすわり」で一貫させる必要がある。

家族がいる場合は、家族全員が一貫した呼び名を使うことによって、犬はよりスムーズに言葉を習得する。

短く、シンプルな言葉

短く、シンプルな言葉をより習得する。

例えば

「外に歩きに行こう」よりも「お散歩」

「〇〇してはいけない」よりも「ダメ」

ボディランゲージ

やはり、ボディランゲージも大きなポイントとなる。

身振り手振り、顔の表情は言葉を理解するための重要な手がかりとなる。

次に、犬と言葉に関する 興味深い研究をご紹介。

実験 言葉に対する脳の反応 in ハンガリー

実験内容

犬が言葉を聞いた時の、脳の動きを MRI を用いて観る実験がハンガリーで行われた。

実験に参加したのは、MRIスキャナーに座っていられるようにトレーニングされた犬 13匹。

録音された音声を聞いた際の、脳の反応を観察。

犬たちは目覚めた状態で、無理に拘束されることなく行われた。

言葉 と 声のトーン

言葉と声のトーンはそれぞれ2種類。

聞き慣れた褒め言葉意味を持たない言葉(例えば、接続詞:しかし の様な言葉)。

明るい声普通の声(明るくも暗くもない)。

「褒め言葉」を明るい声と普通の声で、「意味を持たない言葉」を明るい声と普通の声で

つまり、4通りの音声を録音したものを聞かせた。

実験結果

脳内で言葉と声を別々に処理していることが判った。

言葉は左脳声は右脳で処理をしている。(人間と同様

また、声のトーンに関係なく、聞き慣れた褒め言葉に対しては左脳が活発に反応した

そして、褒め言葉と明るい声のトーンが揃った時のみ、脳の報酬系が反応した。

実験結果から言えること

聞き慣れた褒め言葉であれば、どのような声のトーンであっても、反応できる。

しかし、決して声のトーンが無意味というわけではない

犬も人間と同様、言葉とその言葉を発した声のトーンを組み合わせて、その言葉の本当の意味を捉えるからである。

だから褒め言葉と、明るい声のトーンが揃った時に、脳の報酬系が反応する。

脳の報酬系とは、欲求が満たされた、または満たされると判った時に反応する領域である。

明るい声のトーンで「良し!」という褒め言葉を聞くと、その2つを組み合わせて

『この後は、おやつが貰える!良いことがある!』と反応するわけである。

つまり、何を言っているのかだけではなく、また どのように言っているのかだけでもなく

何をどのように言っているかを聞いているのである。

参考・参照文献

HUFF POST より

 Dogs Can Understand Human Speech A Lot Better Than We Thought

love has no labels より

How Many Words Do Dogs Know?

The Washington Post より

Your dog really does know what you’re saying, and a brain scan shows how

まとめ

犬は、私たちが思っている以上に言葉を理解している。

何を言ったか、どのように言ったかを統合させて言葉の意味をきちんと捉えている。

「どうせわからないだろう」と暴言を吐いたら、それも伝わってしまうのだ。

犬とのコミュニケーションには、シンプルな言葉と、感情を込めた声のトーンを一緒に伝えることが重要だとわかった。身振り手振り、表情を加えるとさらに伝わりやすい。

なかなか伝わらない場合は、言葉の選択や表現方法を変えるとうまくいくのかもしれない。

・悪い言葉を使わない(暴言を吐かない)

・シンプルな言葉を選ぶ

・感情を込めて話しかける

・ボディランゲージを使う

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