犬がどのように前後の足を動かして歩いているかを再現できるだろうか?
今回は、犬の歩き方と側対歩について。
歩き方 種類
速度別
犬の歩き方は、速度によって いくつかの種類に分けられる。
①常歩(なみあし)
②速歩(はやあし)
③駈歩(かけあし)
④襲歩(しゅうほ)
①がゆっくりで、④にかけて速くなっていく。
足の運び方 別
足の運び方は、大きく分けて3つ。
①バラバラに動く
地面から離れた後ろ足の次に、同じ側の前足が地面から離れる。
常歩・駈歩・襲歩 で使われる。(各々リズムは違う。)
②斜対歩
対角にある足が同時に前進する歩き方。右前足と左後ろ足が同時に動き、左前足と右後ろ足が同時に動く。
速歩で使われる。
③側対歩
同側にある前後の足が同時に前進する。右前足と右後足が、左前足と左後足が同時に前へ出る歩き方。
一部の犬種を除いて、通常の場合は使われないとされる歩き方である。
側対歩に関する色々
以前、知り合いの飼い主さんが、とある方から「側対歩は良くないから、側対歩をしていたら一度止めて、斜対歩で歩くように矯正したほうが良いと言われた」と教えてくれた。
本当にそうなのか??
疑問に思ったので、色々と調べてみることにした。
側対歩をする動物
そもそも日常的に側対歩をする動物たちを調べた結果…
・象
・キリン
・ラクダ
・一部の犬・・・オールドイングリッシュシープドッグ
など
側対歩のメリット
・上下動が少ないため、体への負担が少ない
・力が入れやすい
側対歩 = なんば歩き
右手・右足が同時に、左手・左足が同時に動く歩き方。
江戸時代の飛脚が採用していた『なんば歩き』である。
側対歩は他の歩き方に比べ、上下運動が少なく、体をねじる動きがないため
省エネな歩き方。
また、腰周りと太腿の筋肉をうまく使えるため、体に力を入れやすい動かし方。(大きな段差を上がろうとした時を想像してもらうと分かりやすい)
側対歩を通常の歩き方とする動物が、大型動物であることからも、体への負担が軽く、省エネな歩き方であることがわかる。
側対歩のデメリット
・体が横に振れやすい
体が横に振れるから、体側へ負荷がかかるという意見もある。
側対歩をする理由
それでは、斜対歩を通常の歩き方とする犬が、側対歩をする理由は何なのか?
今のところ、以下のような原因があると言われている。
・緊張やストレス
・疲労
・老化
・体のどこかに痛みがある
側対歩はダメなのか?
側対歩そのものがダメなわけではない。
側対歩は省エネで筋肉を効率よく使うことができる。
従って、緊張・ストレス・疲労・老化・体の不調などの理由から、それらを少しでも軽減させるために、側対歩をするのは納得できる。
側対歩をする理由が上記のようなものであるならば、体調が改善された結果として、側対歩から斜体歩に変わるというプロセスが望ましいのではないだろうか。
中には、個体差で生まれた時から側対歩という犬もいるだろう。
筆者がこれまで会ってきた犬の多くは、背中に問題を抱えていた。もしこれが、斜対歩の上下運動によるひずみであるのなら、どちらが良くて、どちらが悪いとは言えない。
知り合いのベテラン獣医師さんに歩き方に関する考え方を伺った際、先生は
「側対歩か斜対歩かもよりも、まずは歩き方に活気があるかが重要だよ」と言っていた。
参照・参考文献
馬を知ろう!HP より 馬の歩き方
まとめ
・犬の歩き方には種類がある。
速度別
足運び別
・側対歩は通常は使われない歩き方とされている。(一部の犬種を除く)
・側対歩は効率よく筋肉が使えて、省エネな歩き方である。
・犬が側対歩をする場合、体に何らかの不調を抱えている可能性がある。
・斜対歩が良くて、側対歩はダメとは一概には言えない。
・歩き方から犬の心と体の調子を察して対処することが大切。